ラーメン・ライスの新たな発見

保町「さぶちゃん」の半ちゃんラーメンを知っていますか?
今では、すっかりポピュラーになったラーメンと半分サイズのチャーハンの組み合わせを発明した人です。私は、ここに30年間も通い続けていることになります。

一般のラーメン屋では、このメニューがないことがほとんどです。そうすると「ラーメン・ライス」の登場です。ラーメンは、それ自体で完成された、すばらしい食品なのでありますが、如何せん食事としてはボリュームが足りないことがあります。大盛ラーメンは、スープと麺のバランスがくずれてしまうし、最後まで食べているうちに麺がのびてしまう。追加するには、半分量のチャーハンが理想ではありますが、メニューにないんじゃ仕方ない。 

そこで、昔からラーメン・ライスという食べ方があります。炭水化物ばかりで、栄養価的には保障できませんが、ラーメンのスープのしょっぱさがちょうどいいライスのおかずにもなります。ラーメンと一緒の場合には、「ごはん」とは言いません。必ず「ライス」でなければならないことになっています。だから、漬物なんかいらないのです。これは朝の忙しいときには、みそ汁とご飯だけでいいなと感じるあの感覚にも似たものがあります。こんなときは余計なおかずはいらないのです。 

先日は、夜中にこのラーメン・ライスを注文しました。さんざんビールを飲んだ後でしたから、少し食べ過ぎなのは認めますが、なつかしいメニューが頭をよぎったとたんに、食べたいという衝動から逃げられないのは昔からです。 

て、狭い店内のつけっぱなしのテレビでは野球中継です。いい場面ではつい、箸が止まりがちになります。しかし、食べているのはラーメンですから、
もたもたしているとのびてしまいます。ラーメンを食べ終わったときにふと気がついてみると、ライスにはまったく手をつけていない。天丼のときにも申し上げましたが、食事というのはライスとおかずの食べ方のバランスにいつも細心の注意をはらっていなければなりません。なんということをしてしまったのか。おかずを食べ終わって、ライスが丸々残ったときのむなしさには、皆さんもご同情いただけるものと思います。 

もうこうなったら最後の手段です。幸い、ラーメンの残ったスープがありました。ここにライスをぶち込んで一呼吸。レンゲで軽くかきまぜると、このライスをスープごとズズッとすすります。おお、新たな感動です。韓国料理にクッパというものがありますが、問題なくこちらの勝利です。コショウはその都度追加することも合わせてご提案いたします。

れからというもの、ラーメン・ライスを注文しまくり、ほぼ連日この方法で食している毎日です。あまり上品と言える食べ方ではありませんが、まだ未経験の方には、心よりお勧め致します。