暑い日に鍋焼きうどん

月6日は今年初の夏日だった。つまり最高気温が25度を超えた。体がまだ慣れていなくてすごく暑く感じる。

きつけのそば屋で、いつもなら「せいろそば」を食べるのだが、ちょっと待てよ。こういう日こそ熱いメニューを選ぼうかな。真夏でも「鍋焼きうどん」をやっているのは調査済みでもある。私は夏だって冷やし中華やアイスコーヒーは飲まない。

うし、これだと勇んで「鍋焼きうどんください!」。一瞬こわばるウエイトレスの顔。しばらくのにらみ合い。しかし、すぐに彼女は厨房を振り返り「鍋焼きうどん一丁」と大声を上げる。

ばらくしてチンチンと音を立てる鍋焼きうどんが眼前に運ばれてくる。蓋を取るとまだブクブクと沸騰している。

あどうして私はこんなことにこだわるのだろう。一口食べるごとに汗が噴き出す。こんなことに挑戦している自分を英雄視さえしている。仕事もこのくらい真剣にやっているかな。恋愛とかも。それとも失恋でもしたのかな。そんな環境でないことはわかっていたけど。とにかく正常な判断ができないほど熱い。

識も朦朧とした中で「次は猛暑日になった日に挑戦してやる」と心に誓っていた。