職場のハラスメントに関する実態調査について

社労士NEWS

令和2年10月に実施された厚生労働省委託事業、「職場のハラスメントに関する実態調査」についての調査結果が公表されています。(前回は平成28年度に実施)
今後のハラスメント防止対策の参考とされてはいかがでしょうか。

調査結果の主要点

ハラスメントの発生状況・ハラスメントに関する職場の特徴 ●過去3年間のハラスメント相談件数推移
・パワハラ、カスハラ、マタハラ、介護休業等ハラスメント、就活等セクハラ…「変わらない」が最も高い
・セクハラ…「減少」が最も高い
●過去3年間のハラスメント該当件数推移
・カスハラ…「増加している」が「減少している」を上回る
・それ以外のハラスメント…「減少している」が「増加している」を上回る
●職場の特徴:「上司と部下のコミュニケーションが少ない/ない」、「ハラスメント防止規定が制定されていない」「失敗が許されない/失敗への許容度が低い」、「残業が多い/休暇を取りづらい」
ハラスメントの予防・解決のための取組状況、その効果と課題 ●雇用管理上の措置
・「ハラスメントの内容、ハラスメントを行ってはならない旨の方針の明確化・周知啓発」「相談窓口設置、周知」を実施している…8割程度
・「窓口担当者が内容や状況に応じて適切に対応できるための対応」…4割程度
●勤務先が「ハラスメント対策に積極的に取り組んでいる」と回答した者…ハラスメントを経験した割合が最も低く、「あまり取り組んでいない」と回答した者…経験した割合が最も高い
●課題:「ハラスメントかどうかの判断が難しい」、「発生状況を把握することが困難」が高い
ハラスメントを受けた経験 ●過去3年間での経験有無・頻度:パワハラ…31.4%、カスハラ…15.0%、セクハラ…10.2%
●過去5年間に妊娠/出産した女性労働者でマタハラを受けた…26.3%、妊娠に至る前に妊娠/出産等に係る否定的な言動を経験…17.1%
●過去5年間に育児に関する制度を利用とした男性労働者で、育児休業等ハラスメントを受けた…26.2%
●就活等セクハラを経験…25.5%
ハラスメント行為を受けた後の行動、ハラスメントを知った後の勤務先の対応、ハラスメントを受けていることを認識した後の勤務先の対応 ●ハラスメントを受けた後の行動
・パワハラ、セクハラ…「何もしなかった」が最も高い
・カスハラ…「上司に相談した」「同僚に相談した」が高い
●ハラスメントを知った後の勤務先の対応
・パワハラ…「特に何もしなかった」47.1%、セクハラ…「要望を聞いたり、問題を解決するために相談にのってくれた」34.6%、カスハラ…要望を聞いたり、問題を解決するために相談にのってくれた」48.6%が最も多い
●ハラスメント認定後の勤務先対応
・パワハラ:「行為者に謝罪させた」…28.5%、「何もしなかった」…22.3%
・セクハラ:「会社として謝罪した」…32.4%、「行為者に謝罪させた」…27.0

詳細は、厚生労働省HP「「職場のハラスメントに関する実態調査」の報告書を公表します」をご覧ください。

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