【労基法】労政審が厚労相へ「時間外労働の上限規制等について」建議②

平成29年6月5日、労働政策審議会は「時間外労働の上限規制等について」厚生労働大臣に対して建議を行いました。

 

前回「時間外労働の上限規制」について触れましたが、今回は、時間外限度基準の「適用除外等の取扱い」についてです。

 

現行、時間外協定の限度基準では、①自動車の運転の業務、②工作物の建設等の事業、③新技術、新商品等の研究開発の業務、④季節的要因等により事業活動もしくは業務量の変動が著しい事業もしくは業務または公益上の必要により集中的な作業が必要とされる業務として厚生労働省労働基準局長が指定するもの、が適用除外とされています。

 

これらについて、以下の通りの取扱いが適当とされています。

 ①自動車の運転業務
・改正法の一般則の施行期日の5年後に、年960時間以内の規制を適用する
・将来的には一般則の適用を目指す
・5年後の施行に向けて、荷主を含めた関係者で構成する協議会で労働時間短縮策を検討する等、長時間労働を是正するための環境整備を強力に推進すること
・この場合でも時間外の上限は原則月45時間、かつ、年360時間に近づける努力が重要
 ②建設事業
・改正法の一般則の施行期日の5年後に、罰則付き上限規制の一般則を適用する
・復旧、復興の場合については、単月で100時間未満、2か月ないし6か月で平均で80時間以内の条件は適用しないが、併せて将来的には一般則の適用目指す
・5年後の施行に向けて、発注者を含めた関係者で構成する協議会を設置する等、必要な環境整備を進めるとともに労働時間の段階的な短縮に向けた取り組みを強力に推進すること
・この場合でも時間外の上限は原則月45時間、かつ、年360時間に近づける努力が重要
 ③新技術、新商品等の研究開発の業務
・専門的、科学的な知識、技術を有する者が従事する新技術、新商品などの研究開発の業務の特殊性が存在するため、現行制度で対象となっている範囲を超えた職種に拡大することのないよう、対象を明確化したうえで適用除外とすることが適当
・健康確保措置として、1週間あたり40時間を超えて労働させた場合のその超えた時間が1カ月あたり100時間を超えた者に対して、医師による面接指導の実施を義務付けることが適当。義務違反に対しては罰則を課すこと
・面接指導を踏まえ健康を保持するために必要な事後措置の実施を義務付けるとともに、当該事後措置の内容に代替休暇の付与お位置付けること
 ④厚生労働省労働基準局長が指定する業務
・原則として罰則付き上限規制の一般則を適用することが適当であるが、業務の特殊性から直ちに適用することが難しいものについては猶予を検討すること
 ⑤医師
施行期日の5年後をめどに規制を適用することが適当
・医療界の参加の下で検討の場を設け、2年後をめどに規制の具体的なあり方、労働時間の短縮策等について検討し、結論を得ること

詳細は、厚労省HP「「労働政策審議会建議「時間外労働の上限規制等について」を公表します」をご覧ください。

 

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